今の米ドルは買い?買いじゃない?

投資情報

ショー太です。

米国の利下げ観測の高まりから長期金利が急低下しています。

(ブルームバーグ:米国10年国債利回りの1ヵ月推移)

約1ヵ月前に2.35%程あった利回りも、2.08%まで下がりました。

長期金利に引っ張られるように米ドルも下げてますね。

(ロイター:米ドル/円の1ヵ月推移)

2019年6月14日時点で1米ドル108.56円。

110円を切ったところから米ドルを買い進めている人も多そうですね。

そもそも、今の108円50銭付近の米ドルというのは高いのでしょうか、安いのでしょうか。

当たり前ですが、昔の360円の時から見たら安いし、70円台の時から見たら高いですね。

ここまで極端な比較をする人はほとんどいないでしょうが、円高(ドル安)・円安(ドル高)というのはどこを基準にするかで変わります。

過去30年の米ドル/円チャートを見てみます。

(ロイター:米ドル/円の30年間推移)

この30年で米ドルは70円台~160円付近までとかなり大きく動いていますが、真ん中を取るとだいたい115円くらいですね。

ただ、2011年~2012年の最安値水準は米国の金融政策で(わざと)極端にドル安にしたという背景があるため、カウントしなくても良いとは思いますが。

少し詳しく言うと、リーマンショックで経済的に大きく被害を受けた米国は、自国の経済を良くするために、当時5%あった政策金利(国の基準となる金利)を0%まで下げるゼロ金利政策を実施しました。

金利が下がれば米ドル預金の魅力が薄れることから、短期的にドルの価値は大きく下がったのです。(円高・ドル安)

加えて、経済にお金を回すために市場に出回るドルの量を増やすという量的緩和政策も同時に行いました。

市場に出回るドルの絶対量が増えると、1ドルあたりの価値は希薄化されて下がります。

ゼロ金利政策と量的緩和政策のダブル・パンチで米ドルは円に対して大きく下がり、その時に1ドルが70円台を付けたのです。

ゼロ金利政策と量的緩和政策という救済措置を使い切ってしまった米国は、次にリーマンショック級の景気後退が訪れた時の対応策がなくなってしまうこともあり、今は金利やドルの発行量をゆっくりと元の水準に戻していこうとしています。

2015年から米国が金利を少しずつ上げているのはこのためですね。

つまり、1ドルが70円台まで下がったのは、リーマンショックからの回復のため、米国が金融政策で(わざと)極端にドル安にもっていったという背景があり、特殊なケースなのです。

この特殊なケースで1ドル70円台を付けたことをカウントしても、過去30年間のドル円の真ん中は115円くらいになります。

為替は読めないと言っておいてアレですが、米国の利下げ観測の高まりで短期的に売られている米ドルは、今の水準(108円50銭付近)だったら買いかもしれませんね。


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