新NISAはこれでOK!インデックスファンドで作るおすすめのポートフォリオを紹介します

投資信託

新NISAをきっかけに、インデックスファンドで投資をする人が増えています。

 

インデックスファンドとは、対象ベンチマーク(目安)の指数に連動した投資成果を目指す投資信託のことです。

ベンチマークにはTOPIXやS&P500などの株価指数の他、債券指数、リート(不動産投資信託)指数、コモディティ指数などがあります。

 

インデックスファンドは値動きが分かりやすい/幅広い銘柄に分散投資が可能/運用コストが低いといった特徴があり、投資初心者だけでなく、ベテラン投資家にも人気があります。

 

中でもネット証券やネット銀行で買えるeMAXIS Slim(イーマクシススリム)シリーズのインデックスファンドは人気が高く、投信ブロガーが選ぶFUND OF THE TEARでもこのシリーズの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が2023年の1位を獲得しています。

シリーズ全体の総資産総額も順調に伸びており、2024年1月17日時点で7兆円を超えています。

 

今回、多くの方が支持するeMAXIS Slimシリーズのインデックスファンドを数種類組み合わせて、リスクとリターンが最適となるポートフォリオ(最適ポートフォリオ)を作りました。

長期分散投資にぴったりのポートフォリオですので、これから投資を始める方の参考になれば嬉しいです。

 

eMAXIS Slim インデックスファンドの特徴

まずはeMAXIS Slim インデックスファンドの特徴について簡単に説明します。

eMAXIS Slimは運用会社の三菱UFJ国際投信が運用するインデックスファンドシリーズです。

 

eMAXIS Slim最大の特徴といえば、コストの低さです。

コストは大きく分けて3種類に分類できます。

  • 買付手数料
  • 解約手数料
  • 信託報酬(投資信託を保有している間かかるコスト)

 

インデックスファンドは買付手数料と解約手数料どちらもゼロのものが多いので、気にする必要があるのは信託報酬です。

信託報酬は投資信託を運用管理するための費用で、投資信託を保有している間かかり続けます。

同じベンチマークのインデックスファンドが2種類ある場合、長期だと信託報酬が低いファンドの方がパフォーマンスが良くなることが一般的です。

そのため、インデックスファンドを選ぶ際は信託報酬が低いものを選ぶのがポイントです。

 

eMAXIS Slimは「業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続ける」というモットーを掲げており、実際に同シリーズの信託報酬率は業界最低水準です。

 

世界の株式・債券・不動産など、幅広い資産クラスに低コストで分散投資することができるため、インデックスファンドで迷ったらeMAXIS Slimの中から選んでおけば間違いないでしょう。

 

最適ポートフォリオとは

次に最適ポートフォリオについて説明します。

最適ポートフォリオとは、数種類の資産の組み合わせの中で、リスクが同じなら期待リターンが最も高くなる組み合わせを、期待リターンが同じならリスクが最も低くなる組み合わせを選んだポートフォリオのことです。

効率的ポートフォリオとも呼ばれます。

 

最適ポートフォリオは1つだけはなく、複数存在します。

資産の組み合わせ方によってポートフォリオのリスクが変われば、そのリスクに応じた期待リターンの最大値も変わるためです。

つまり、リスクの変化によって(または期待リターンの変化によって)最適ポートフォリオは変化します。

投資家ごとに許容できるリスクは違うので、投資家の数だけ最適ポートフォリオが存在することになります。

 

前提条件

今回最適ポートフォリオを作るにあたり、前提条件としたのは下記の通りです。

【投資対象ファンド】

ファンド名

eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)

eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

eMAXIS Slim 先進国債券インデックス

eMAXIS Slim 国内債券インデックス

資産クラス 先進国株式 国内株式 新興国株式 先進国債券 国内債券
特色 日本を除く先進国の株式に投資 日本の株式に投資 新興国の株式等に投資 日本を除く世界主要国の公社債に投資 日本の公社債に投資
信託報酬 0.09889%以内 0.143%以内 0.1518%以内 0.154%以内 0.132%以内

新NISA

つみたて投資枠

× ×

新NISA

成長投資枠

(2024年1月28日現在)

世界の株式と債券に幅広く投資できるよう、投資対象としてこれら5種類のファンドを選びました。

新NISAのつみたて投資枠に対応しているファンドとそうでないファンドがありますが、つみたて投資枠に対応していなくても積極投資枠で投資することができます。

 

【期待リターン/リスク】

資産クラス ※期待リターン(%) リスク(%)
先進国株式 6.81 16.78
国内株式 5.75 14.12
新興国株式 7.04 17.35
先進国債券 2.28 5.44
国内債券 1.00 2.24

投資対象ファンドの基準価格が出そろう2017年7月末から2023年12月末までのデータを用い、資産クラスごとの期待リターンとリスクを算出しています。

(※期待リターンはリスクから逆算して算出していますが、算出方法については長くなるため割愛します)

【期待リターン/リスク 分布図】

 

【※相関係数】

  先進国株式 国内株式 新興国株式 先進国債券 国内債券
先進国株式 1.00 0.80 0.74 0.47 0.17
国内株式 0.80 1.00 0.66 0.37 0.01
新興国株式 0.74 0.66 1.00 0.21 0.02
先進国債券 0.47 0.37 0.21 1.00 0.32
国内債券 0.17 0.01 0.02 0.32 1.00

※相関係数とは、2つの資産間の値動きの連動性を数値化したものです。

1に近いほど資産間の値動きの連動性が高く、-1に近いほど2つの資産の値動きが逆方向に動くことを意味します。また、0に近いほど、資産間の値動きに関係性がないことを意味します。

 

以上が最適ポートフォリオ作成にあたっての前提条件です。

 

eMAXIS Slim インデックスファンドで作成した最適ポートフォリオの紹介

先ほどの前提条件を基に、作成したポートフォリオがこちらです。

リスクが低い順に安定型・中間型・積極型の3パターンに分けました。

 

安定型ポートフォリオ

資産クラス 組入比率(%)
先進国株式 10
国内株式 5
新興国株式 10
先進国債券 35
国内債券 40
期待リターン(%) 2.87
リスク(%) 5.06

 

リスク5%のポートフォリオです。

先進国債券のリスクが5.44%でしたので、こちらの方が先進国債券よりもリスクが低くなっています。

一方、期待リターンは2.87%と先進国債券の2.28%よりも高いです。

大きなリスクを嫌って先進国の債券のみで投資をする人は多いですが、このポートフォリオであれば先進国債券よりもリスクを抑えて、より高いリターンが期待できます。

 

標準型ポートフォリオ

資産クラス 組入比率(%)
先進国株式 25
国内株式 15
新興国株式 20
先進国債券 40
国内債券
期待リターン(%) 4.88
リスク(%) 9.96

 

株式と債券の割合は、伝統的な投資比率とされる60:40のポートフォリオです。

リスクは約10%と、実現するリスクの中では中間に位置します。

ミドルリスク・ミドルリターンの運用を希望する人におすすめです。

 

積極型ポートフォリオ

資産クラス 組入比率(%)
先進国株式 40
国内株式 20
新興国株式 40
先進国債券 0
国内債券 0
期待リターン(%) 6.69
リスク(%) 15.04

 

リスク約15%のポートフォリオです。

リスク15%というと、先進国株式よりも低いリスクです。

一方、期待リターンは先進国株式とほぼ同水準のため、少しでもリスクを抑えて先進国株式並のリターンを狙いたいという方におすすめです。

 

ポートフォリオの過去の実績

3種類のポートフォリオの過去の実績がこちらです。

(2017年7月末~2023年12月末)

 

ファンドの設定時期の関係上、計測期間が6年半と長くはないですが、全てのポートフォリオがプラスのリターンとなっています。

株式比率が高いポートフォリオほどリターンは高く、積極型のリターンは80%を超えています。

 

積極型と中間型は2020年の夏以降に上昇幅が拡大しました。

これは、コロナショック後に主要中央銀行が大規模な金融緩和を実行したことで、米国中心に世界の株価が大きく上昇したためです。

 

もちろん過去の実績なので将来どうなるか分かりませんが、どのポートフォリオもこれまでのところ順調に推移してきたと言えるでしょう。

今後の実績はまたどこかのタイミングでお伝えします。

 

さいごに

今回、eMAXIS Slim インデックスファンドを組み合わせて作成した3種類の最適ポートフォリオを紹介しました。

どれも長期分散投資にぴったりのポートフォリオですので、これから投資を始める方の参考になれば嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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